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日熊行燈

枕元にカステラを置いて寝ています

捧ぐ

星野源が人に受ける歌詞を作り始めた。 そんなこんなで東京という街はトランプ氏が支配を始めた。 もともとひどいものだった。お前らの顔には自分が満足するために動く、仁義という概念を永劫持つことのない女たちへの憧憬があった。そしてお前らはなぜかそ…

大昔に書いた文章

その街は人行きが消えかかる夜にあった。白い大きな蛾が街灯の光る路道を飛び、死んだ蝉が叶うことのなかったものの零れ落ちる路端に閉じ込められていた。夏の夜だった。男と女、手をつないで寄り添った二人がその街を歩いていた。彼らは孤独だった。なぜな…

3ヶ月前に書いた小説

目が覚めると私は列車に乗っていた。古ぼけた車両の窓から黄土色の草原が通り過ぎていくのを見た。これまでのことは思い出せなかった。自分が誰かも。そんなこともあるだろう。不思議に落ち着いていた。ポケットから煙草を取り出すと、安物のライターで火を…

Revisited

旅をしました。5年間。 街を巡り、人を見ました。 すれ違うだけで、その街の印象も随分と理解できるものだと思います。 北極圏近くの街に行きました。トロムソ。 遠い霞のような街でした。静かで薄い。 トロムソは大学街で、真夏で6度という寒く鋭い空気の…

「見るべきほどのことは見つ」というとても正しい態度(最後に道具について)

平家物語の一節にある。 壇ノ浦合戦にて。平家の敗色が濃厚となり、一門が次々と入水していく中にて、猛将平知盛がこう言って入水していった。 (平家一門の栄枯盛衰など、この世で見るべきことは全て見た) そして今はただ自害せん、という。 私は象徴で物…

実存(現状)

愛に夢を見ないほうがいい。 作家にも。 作家はみな、愛で自分の弱さを隠そうとする。セックスや(ウエルベックのように)、男らしさと酒を使って(ヘミングウェイのように)。 作家が執着する価値観、この世を判断するための錨を振り回しているのを見て思う…

今俺は

俺は今ここにいなくなった人々に話しかけている。ここ二日、人と話す生活を送った。その次の朝は寂しくなるものだ。場所を埋めるものがない。やることはあり、赤い表紙の厚い本も、少子化論という本も持っているのだが。今俺は喫茶店で7mmのタバコを吸ってい…

理論ではない、俺だけの愛すべき死んだポエム1

「もういい加減擦られきったことについて言及するのはやめないか」、 彼はこう考えていたのだ、人間は言葉を使ってありきたりの感情を表現し、その時代の論理で物事を構築していく。現状の利益について打算し、相手の心を扇動するように共感をしていく。既に…

脚本がきちんとまとまってる創作について:『イミテーションゲーム』を見た。

名画座で『イミテーションゲーム』を見た。 ベネディクト・カンバーバッチがアランチューリングを演じて、「アスぺの自分は人間のように考えられるのか、機械の思考のような紛い物なのか」というのがわかりやすいテーマとして前面に出されている話。 表面的…